ストレートネックとは?
ストレートネックとは、横からみた時に本来前湾カーブしているはずの頚椎がカーブしておらず、まっすぐになった状態で固定されたことをいいます。
人間の頭はおよそ5Kg程度ありますが、頚椎が前湾(生理的湾曲)していることで、頭の重さを分散させたり首に加わる衝撃を和らげる構造になっています。
ストレートネックとは、負担を分散したり衝撃を和らげる機能を充分に果たせない状態になっているとも言えます。
また、ストレートネックは別名『スマホ首』とも呼ばれており、
首の凝り・痛み・頭痛・めまい・吐き気・喉の違和感を引き起こす事があります。
ストレートネックの種類
ストレートネックは、筋性ストレートネックと骨性ストレートネックの2つに分けられます。
筋性ストレートネックは、悪い姿勢を長時間続ける事で首や肩の筋肉が凝り固まりストレートネックになる場合です。
骨性ストレートネックは頚椎や椎間板にストレスが加わることで、頚椎同士の隙間が狭くなり、頚椎そのものが変形してしまいストレートネックになったものです。
筋性のストレートネックが悪化して椎骨や椎間板に影響が出る事で生じます。
ストレートネックはデスクワーク時の姿勢やスマホの使い方など日常生活動作の積み重ねによる
後天的な問題で、先天的な問題(生まれつき)ではありません。
喉の違和感の正体はストレートネックだった!?
実はストレートネックによる喉の違和感を感じることもあります。
このような症状でお悩みではないですか?
・喉のつまりや引っ掛かり感
・喉の乾燥やイガイガ感
・息苦しさ
・食べ物や唾が飲み込みにくい
・咳がでてよくむせる
・声のかすれ、痰がからむ
ストレートネックが引き起こす喉の違和感は風邪の症状によく似ています。
例えば、発熱がなく、喉の違和感が長引く場合や病院で喉を検査して異常がないと言われたが喉の違和感はあるような場合はストレートネックを疑いましょう。
喉の違和感を改善するためにも、姿勢の改善に取り組みましょう
ストレートネックが引き起こす喉の違和感の原因
ストレートネックによる喉の違和感は次の2つの影響で引き起こされます。
・姿勢の歪みによる喉の狭まり
・自律神経のはたらきの低下
姿勢の歪みによる喉のつまり
ストレートネックになると、本来は前方にカーブする頚椎が歪み、
喉の位置が後ろに引っ張られてしまいます。
その結果、首の前にある「胸鎖乳突筋」が緊張してしまい、物理的に喉が狭くなり、つまり感や飲み込みにくさなどを感じやすくなってしまいます。
また、筋肉は体積量が多ければ多いほど、影響を与えるという法則があり、その中でも「胸鎖乳突筋」は頸部で最大の体積量をはかり、頭を支える重要な筋肉です。
頭の位置を調整するうえでも重要な筋肉と言えます。
姿勢の歪みが原因の場合は、喉の違和感とともに頭痛・肩こり・吐き気・めまいなどの症状も併発することがあります。
自律神経のはたらきの低下
ストレートネックによって首まわりの筋肉が緊張すると、副交感神経のはたらきが弱まります。
自律神経がみだれると、喉のぜんどう運動が低下し喉がつまり間を感じやすくなりがちです。
自律神経の乱れによって引き起こされる喉の違和感は咽喉頭異常感症「ヒステリー球」とも呼ばれていて、ストレスも影響を与えています。
精神的ストレスを受けた時、疲労でストレスが溜まっているとき、背骨が歪むことで自律神経の働きが悪くなっている時などがこれにあたります。
自律神経の乱れは目に見えず、気が付きににくいので注意しましょう。
ストレートネックの状態を確認するセルフチェック
- 壁に背中を向けて、まっすぐ立つ
- ゆっくり後ろにさがり、かかと、おしり、肩甲骨の順に背中をつけて顎を引いて立つ
自然に立った時に後頭部が壁につく場合は、ストレートネックではないと判断できます。
この場合、喉の違和感は何かしらの病気が関与している可能性があるため、病院に受診しましょう。
あわせて普段から正しい姿勢を意識して、ストレートネックになるのを防いでください。
後頭部が壁につかない場合は、ストレートネックが進行している可能性があります。
また、意識すれば後頭部がつく場合は、軽度のストレートネックです。
頑張っても壁につかない場合は重症度が高いため、すぐに対策が必要です
ストレッチでストレートネックを改善する方法
ストレートネックは次のストレッチで改善が期待できます。
放置すればするほど筋肉量が硬くなり改善しにくくなるため、早めのケアが大切です。
おすすめのセルフケア
顎引き体操
1、椅子にすわり、顎を引いて背筋をまっすぐに伸ばす
2、頭の位置を固定した状態で、ゆっくりとあごだけを前に突き出す
3、ゆっくりあごを引き、もとの状態にもどる
4、2〜3を15回程度繰り返す
頸部のストレッチ
1、椅子に座り顎を引いて背筋をまっすぐに伸ばす
2、左手をあげて、右側頭部にあて、ゆっくりと頭を左に倒して10秒程度キープ
3、ゆっくり戻し、手を入れ替えて同様に頭を右に倒して10秒程度キープする
4、2〜3を2セット繰り返す
タオルを使用したストレッチ
1、フェイスタオルを用意し、椅子に座って背筋をまっすぐに伸ばす
2、タオルを首にかけて端を両手で持つ
3、両手でタオルを斜め45度の方向に引っ張り、頭を後ろにそらす
4、顎を軽く引き、痛みの出ない範囲まで首を伸ばして7秒キープする
5、ゆっくり戻る
3〜5を10〜15回を目安に繰り返す
胸のストレッチ
1、両腕を背中側にもっていき、後ろで両手を組む。
肩などに痛みがある人は無理に組まなくても大丈夫です。
2、顔を上にむけ、両腕を体から離し腕全体をななめ下方向にひきさげます。
この時に左右の胸に張り感を感じることができればOKです。
上体をしっかり逸らし、左右の肩甲骨を寄せることがポイントです。
1〜2を10〜15回を目安に繰り返しましょう
ストレートネックを防ぐポイント
ストレートネックは姿勢を改善できないと再発する事が多いため、
生活習慣から見直す事が重要となります。
1、スマホの使い方
2、デスクワーク
3、寝姿勢
4、座り姿勢
1、スマホの使い方
スマートフォンは手で持ち、目線の高で操作するのが基本です。
スマートフォンを持っていない方の手で、スマートフォンを持っている腕を支えるようにするか、首かけホルダーを使うとうつむき姿勢を防げます
俯き姿勢(前傾)がちになるとストレートネックを誘発してしまうため注意が必要です。
椅子に座ってスマートフォンをみるときは、意識して胸を張るのがポイントです。
寝っ転がってスマートフォンを見るのは控えてください。
ストレートネックだけではなく、視線が内側になる『急性内斜視』になるリスクがあります。
2、デスクワーク
モニターアーム・パソコンスタンド・昇降デスクなどを活用してパソコンのモニター位置を調整すると、デスクワーク中の俯き姿勢を防げます。
高すぎると目が疲れやすくなるため、モニターは目線よりやや下に設置するのが理想です。
モニター画面を顔から40センチ以上話すように置くと疲れにくくなりいい姿勢を維持しやすくなります。この際には、椅子に深く腰をかけ、足裏がしっかりと床に接するように座りましょう。
また、骨盤を起こし背中を伸ばし、両肩と頭を引くということに意識を向けてみてください。
3、寝姿勢
寝姿勢の改善は枕選びが大切です。体に合う枕で首と布団の隙間を埋めて、背中のS字カーブを自然な状態に維持しましょう
体に合う枕がみつからない場合はタオルで自作できます。
バスタオルを2〜4つ折りにして幅を調整し、タオルをくるくると巻き、首の隙間に合う高さに調整する。
実際に仰向けで寝てみて、肩が布団につき、視線がまっすぐ上にむいているか確認する。
4、座り姿勢
椅子選びも正しい姿勢を保つためには重要です。
肘掛けがなく、座面と背もたれにクッション性があるもので、
背中と背もたれの間に隙間がなく、座った状態で力をぬいても背筋が伸びた状態を保てる椅子がおすすめです。
ソファーの場合は、沈み込みすぎないもので、背もたれに十分な高さがあるものを選ぶとよいでしょう。
ストレートネックは整骨院に相談することもおすすめです
ストレートネックや喉の違和感についてのお悩みは、姿勢改善を専門的に行なっている整骨院に相談するのが解決の近道です。
骨格や筋肉にアプローチするプロの施術で姿勢の歪みを改善を目指しましょう。
肩こり、首の痛み、頭痛、自律神経症状を和らげるのにも効果的です。
しもいとうづ整骨院では、ストレートネックの施術〜対策まで幅広く対応しています。
一人一人の状態に合わせた無理のない施術を提案しているので、ストレートネックに悩んでいる方にもおすすめです。
ストレートネックだけでなく、肩こりや背中のしびれ、腰の痛み、骨盤の問題、全身の姿勢矯正など幅広い体の悩みもご相談いただけます。
ストレッチや運動指導など、セルフケアにも対応しているので、お気軽にご相談ください。